第160回直木賞を受賞した真藤順丈さんの小説「宝島」を映画化した作品。
まず先に言っておきたいのが、上映時間191分はめっちゃ長い!!
昨今、3時間超えの長尺映画は増えてきました。私は最近はもはや上映時間を調べずに新作映画を鑑賞しに行くのですが、流石にこれは長さが気になりました。
詳しい感想については後述します。
本作の魅力的なポイントは「ゴザ暴動」や「戦果アギャー」といった、戦後のアメリカ統治下時代に沖縄で実際にあった出来事が描かれています。戦後80年を迎えるにあたって、数多く出てきている戦争映画の1本ですね。
また、作中でいくつかの時代が移り変わるのですが、妻夫木聡さん、広瀬すずさん、窪田正孝さんの演技が素晴らしいです。特に窪田正孝さんは演じる役がかなり複雑なのですが、その怪演っぷりは非常に印象に残るものでした。
この記事では、ネタバレ無しでの筆者の感想・レビューに加え、グロい要素や性描写など事前に知っておきたい要素をお伝えします。
この記事では、「動物の安否」や「グロテスクなシーンはないか」「性描写はないか」など、映画鑑賞前に知りたい映画に含まれるファクター(要素)のみを紹介します。ネタバレは一切含みませんのでご安心ください。
- 作品名
-
宝島
- 公開年
-
2025年
- 監督
-
大友啓史
- 上映時間
-
191分
あらすじ
1952年、米軍統治下の沖縄。米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民らに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。そんな戦果アギヤーとして、いつか「でっかい戦果」をあげることを夢見るグスク、ヤマコ、レイの幼なじみの若者3人と、彼らにとって英雄的存在であるリーダー格のオン。しかしある夜の襲撃で“予定外の戦果”を手に入れたオンは、そのまま消息を絶ってしまう。残された3人はオンの影を追いながら生き、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、それぞれの道を歩んでいくが、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境で、思い通りにならない現実にやり場のない怒りを募らせていく。そして、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す。
映画の気になるファクター6つ
☆=0 ★=1の評価です
ファクター(要素) | 評価 | コメント |
---|---|---|
動物の安否 | ☆☆☆☆☆ | 動物は登場しません |
性描写の有無 | ☆☆☆☆☆ | 一切ありません |
流血の有無 | ★★☆☆☆ | 銃やナイフを使ったシーンで流血がありますが 飛び散ったり激しいものではないです |
グロテスクなシーン | ★☆☆☆☆ | グロはほぼありませんが、人骨が映ります |
視聴対象層(子供★・大人向け☆) | ★☆☆☆☆ | 子供には難しい内容かもしれません |
予習の必要性(過去作・事前知識) | ☆☆☆☆☆ | 予習の必要はありません |

予習の必要はありませんが、実際にあった事件などが元になっているので
鑑賞後に調べてみる良い機会になるでしょう
管理人の感想・レビュー
基本的に映画は褒めたい派なのですが、どうしても見過ごせないのが上映時間191分です。
最近は山ほど3時間超え映画を観て来ましたが、「3時間も苦ではない」「体感で3時間のように思えなかった」などの感想が個人的に湧いてくるのですが、この映画に関しては「うん。3時間だな。」って感じでした…w
内容に関しては面白いのですが、3時間かけてそこまで描く必要があったのだろうか?という感想がまず出てきます。
ストーリーを複雑化するための長尺ではなく、細かく細かく細部まで丁寧に描いて説明してくれているように感じました。
映画の内容に関しては、戦後アメリカ統治下の沖縄が描かれており、「ゴザ暴動」や「戦果アギャー」など、知らなかった沖縄の歴史を知る良い機会になってくれるものでした。
映画の広告では激しい暴動シーンの写真を使ったり、「たぎれ」という煽りのキャッチコピーを使用していますが、実際の内容はそこまで激しいかと言われるとそうではないのです。
アメリカ統治下での地元住民の不満、米施政下での圧制や人権侵害など、沖縄人たちの怒りが沸々と沸いていく情景が描かれているのです。
残念なポイントにはなりますが、あらすじを読んでもそうなのですが、映像を観ると何が起こっているのか分かるのですが、3時間かけて何を伝える物語なのか、ややピンボケしているような印象を受けました。
「当時の沖縄はこんなことになってたんだなぁ」「こういう事件があったんだなぁ」ということは分かるんです。ここは非常に分かりやすく描かれています、ただ主人公を通してみる物語はなんだったのか、何を伝えようとしているのか、やや難しく感じました。
万人受けするかと言われると、残念ながらそうではない映画でしょう。
戦争映画として、勉強をするつもりで観るなら良いと感じる作品でした。