「ブラックパンサー」「クリード チャンプを継ぐ男」のライアン・クーグラー監督の最新作「罪人たち」がアメリカで大バズりしているんだとか。
日本国内でもいよいよ2025年6月20日に公開されました。(でも上映劇場が少ない…!!)
主役を務めるマイケル・B・ジョーダンは、なんと一人二役!ちょい役とか、入れ代わり立ち代わりではなく、並んで登場する双子を両方演じてます。
さっそく筆者も劇場で鑑賞して来ましたが、バズるのも納得の傑作です。
最近結構見かけるような気もしますが、映画の前半と後半での温度感の違いが凄まじいです。
この怒涛の物語の転換、大好物です!!
本作はホラーであり、公式では「サバイバルスリラー」を謳っています。
このサバイバル部分が映画後半にスイッチでもしたかのように凄い勢いで押し寄せるものですから、エンディングまでテンションが右肩上がりになっちゃいます。
それでは、本稿ではネタバレ無しで、「罪人たち」を紹介していきたいと思います。
この記事では、「グロいかな~」「どのぐらい怖いかな~」「お茶の間で観ても平気かな~」そんな悩みを解消する情報や、ネタバレ無しのレビューを書いています。
作品情報
- 作品名
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罪人たち
- 公開年
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2025年
- 監督
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ライアン・クーグラー
- 上映時間
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137分
あらすじ
1930年代の信仰深いアメリカ南部の田舎町。双子の兄弟スモークとスタックは、かつての故郷で一攫千金の夢を賭けた商売を計画する。それは、当時禁じられていた酒や音楽をふるまう、この世の欲望を詰め込んだようなダンスホールだった。オープン初日の夜、多くの客たちが宴に熱狂する。ある招かざる者たちが現れるまでは…。最高の歓喜は、一瞬にして理不尽な絶望にのみ込まれ、人知を超えた狂乱の幕が開ける。果たして兄弟は、夜明けまで、生き残ることが出来るのか――。
映画の気になるファクター(要素)6つ
☆=0 ★=1の評価です
ファクター(要素) | 評価 | コメント |
---|---|---|
動物の安否 | ☆☆☆☆☆ | 動物はほぼ登場しません。 |
性描写の有無 | ★★★★☆ | 直接的なシーンがあります。 |
流血の有無 | ★★★☆☆ | 結構流れます。 |
グロテスクなシーン | ★★☆☆☆ | えぐれた傷口などが少し映りますが そこまでグロく感じませんでした。 |
視聴対象層(子供★・大人向け☆) | ☆☆☆☆☆ | PG12です。 性描写が少しではありますが直接的なので 子供にはオススメしづらいです。 |
予習の必要性(過去作・事前知識) | ☆☆☆☆☆ | 予習の必要性はありません。 |

ジャンプスケアがいくつかありますが、
ゾワゾワ・ドキドキするような怖い要素は少ないのでホラー苦手な人にもお勧めできます。
作品紹介、見どころ&レビュー
本作は前半、後半で全く別の映画とも言えるような作品になっているのが1番の特徴であり、見どころだと感じました。
先にすっごい簡単に言ってしまうと、
前半は、1932年のアメリカ南部ミシシッピ州をしっかりリサーチして作られた黒人社会の人間ドラマ。
後半は、“招かざるヤバい奴”を呼び寄せてしまって真っ向勝負をするサバイバルスリラーに。
前半部分は、映画の舞台となる1932年のアメリカ南部、ミシシッピ州のミシシッピ・デルタの一角で黒人の暮らしがリアルに描かれるパートです。
この時代はジム・クロウ法、主に「黒人の一般公共施設の利用を禁止、制限した法律」が存在していた頃とのことです。
ブルースやソウルといった、この地に根付いた音楽もこの物語の鍵となります。
そのため、物語の転換までは、まるでミュージカル映画のような、ソウルフルな音楽と、それに沸き立つ大勢の人たちを見て、聴いて楽しめます。
そこからの、怒涛の後半です。
主人公の従兄弟にあたるサミーは,ブルースの類まれなる才能を持っています。それは“悪魔”をも呼び寄せてしまうと言われていました。
で、本当にヤバい奴が来ちゃった。
ここからの勢いはすごいです。あらすじにも『信仰深いアメリカ南部の田舎町』と書いてあるだけあって、やべぇ奴への理解が早いですw
最後は生き残りをかけたサバイバルです。舞台が田舎町というだけあって、非常に小さいコミュニティでの出来事なのもあり、ただ戦うだけでなく、ここにもドラマを持たせるのが非常に上手い。最後まで目が離せません。
黒人社会の暮らしを観て、ブルースやソウルで盛り上がって、そこから化け物と戦うなんて、面白くないわけがないじゃないですかw
ちなみに、キャラクターのインスパイアとなったのは、ブルース界のレジェンド、ロバート・ジョンソンでは?と言われています。「悪魔に魂を売った男」って、たしかに聞き覚えはありますが、まさか映画でそれを知ることになろうとは。
しかも悪魔がわざわざ向こうから来てくれるなんてね。